140文字小説

日々Twitterで綴っている、実話も含むときもある創作小説ブログです。

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

140文字小説「氷付けの幽霊」

『あの~』雪道を歩いていた。久々の都会の大雪。大声で呼び止められる。横を見ると、『油断してたら氷ってしまって……』電信柱の横で氷の中に男が居る。「氷付けで何故、喋れるんだ!」つい、パニックから言葉が出た。『幽霊ですから』取り敢えず、氷を溶か…

140文字小説「バレンタインデー」

「生きる事は楽しいんだよ」行き成り意味が解らない。目に沢山涙を溜めた彼女が言う。「好きだよ!」海外で就職した。一年振りに彼女に会ったバレンタインデー。「チョコありがとな」公園のベンチは冷たくて、寂しいが言えなかった彼女。チョコは少し塩っぱ…

140文字小説「其れこそが運命」

逃れられない。其れこそが運命。逃げても逃げても追い掛けて来る。其れが悪しき者なのか。其れが善き者なのか。だからこその運命。ふと、立ち止まった時に悟る。気付くんだ。”何か”を。逃げろ逃げろ!否、捕まえろ!運命に翻弄される様。全ては貴方次第。

140文字小説「あの女の微笑」

俺は死んだ。何がいけなかったのか…。運命が狂い出したのは四月。あの女か…。好みじゃないんだ。「貴男の事が嫌いよ」社内で擦れ違う度に言う女。「私が好きなのは貴男の彼女」その日の晩。俺は彼女に刺された。「死んでよ!浮気者!」女の微笑が浮かぶ。

140文字小説「死ぬまで生きろ」

「死ぬまで生きろ、とことん生きてやれ」「儂を越えろ」「あっははは」「大声で笑って死ねるのは、お前らのお陰だ」そう言って死んだ祖父は98歳の大往生。皆、祖父の大笑いに釣られて笑ったが……。祖父が息を引き取った後は、皆、大声で泣いた。良いんだよな…

140文字小説「バレンタインデーの思い出」

バレンタインデーで思い出すのは子供の頃。「りおちゃんチョコ頂戴!ホワイトデーにクッキーあげるから。交換しよ?」「うん」チョコをあげた日。ほっぺにチューを貰った。そして現在は私の旦那様。「遙人さん、子供の頃、おませさんだったよね?」「あの頃…

140文字小説「雪女たち」

一冬しか生きられない雪女と季節を永遠に越え生きる雪女。出逢ってしまった。無垢な生を行き命を一冬で散らす。羨ましいと永遠の雪女が言う。『私は出逢いがある度に汚れる。無垢では居られない』ぽろぽろと雪の結晶の涙を流し。『私が貴女を無垢にしてから…

140文字小説「戻れない進化」

『お前達の進化は一歩通行。戻れないんだよ、人間』妖怪に言われた。俺は質問をしてみた。「なら、妖怪は戻れるのか?」『そうさね、我ら妖怪は為すがまま、思うがままさね』「便利なものだな」ニヤリと笑う妖怪の口元。『なあ、人間。回り諄い』俺の心を見…