140文字小説

日々Twitterで綴っている、実話も含むときもある創作小説ブログです。

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

140文字小説「彼女の行動」

街の喧騒の中、彼女が立ち止まり俺を指差す。「何だよ、行き成り指差しなんて」俺は日頃の忙しさにイラッとした。今度は自分を指差す彼女。「何がしたいんだよ」苛立ち。彼女が近付き、そっと俺に回した腕はその後強くなった。ああ、抱き締め合う事もしてい…

140文字小説「不器用な彼女」

「会えないのが辛い!」とかさ…、「本当は寂しいの!」とかね…、「私も言ってみたい!」不器用な生き方の彼女の本音の言葉を付き合い始めて三年目で初めて聞いた。僕は情け無くなって口惜しくなって。そして何故か「ありがとう」と言う言葉と共に彼女を抱き…

140文字小説「姉弟の肝試し」

「姉ちゃん、いい場所見付けたんだ!病院の廃墟…」「夏彦!またぁ?」「いいじゃないか!俺、姉ちゃんに勝った事無いんだからさ~」「逃げ出す癖に…」「男として勝つまでやる!」「で?今夜?」「お、おう!」私達は今日も肝試しに行く。弟、24歳独身。姉…

140文字小説「意外な発言」

「陽は沈む。けれど、陽はまた昇る」当たり前の様に人々に語り継がれる様に在る言葉。苦しい時今、僕はその言葉を呟き涙した。そしてまさに陽が昇ろうとした瞬間。『昇ってみても良いでしょうか?』世界中に響いた声。『太陽ですが、そろそろ飽きられたかと…

140文字小説「創られた世界ーネットワークー」

SF

此処は誰かが構築した世界なんだ。皆気付かない。創られた世界の個で在る事に。その世界を飛び越え、違う世界に行ってしまったら異世界なんて言う。でもそこも創られた世界なんだ。そして、その世界はネットワークされた世界の中に在る。ねえ、もう、そんな…

140文字小説「精神を喰らう者」

SF

精神を喰らう者が現れて千年。人間を含めた動物。生きるものの世界が変わってしまった。その喰らう者の姿形は人間と同じ。噂では生活そのものも同じらしい。精神を喰らわれたものはその生き物として価値を損ない。何かに従属した生き方しかない。殺伐とした…

140文字小説「親父の口癖」

「時代が選ぶ。お前はやりたいようにやれ。なあ、時代は大きいぞ?」こんな事を言われて育った俺。反発すると、『俺も親父の口癖が移ってな』と、照れ笑いをする。そんな俺も三十路を過ぎようとしている。親父の口癖が口を突く。「時代が選ぶ…」声に出し思う…