140文字小説「言葉と小さな妖怪」
『言霊……』
『言葉、食べる』
『食べる』
『言葉が欲しい』
『欲しい』
『食べる』
『……』
毛玉のような手の平に乗る妖怪。
俺の右肩で喧しい。
放って置くと静かになった。
と、思ったら泣き出した。
「しょうがねぇなぁ……」
此奴の為に俺は、ぽつりぽつりと言葉を口にした。
『言霊……』
『言葉、食べる』
『食べる』
『言葉が欲しい』
『欲しい』
『食べる』
『……』
毛玉のような手の平に乗る妖怪。
俺の右肩で喧しい。
放って置くと静かになった。
と、思ったら泣き出した。
「しょうがねぇなぁ……」
此奴の為に俺は、ぽつりぽつりと言葉を口にした。