2015-05-10 「詩を忘れたカナリア」 純文学 「ねえ、私の為に歌って。ずっとずっと…」カナリアが言うんだ。羽をばたつかせて。彼女は歌うことを忘れ、代わりに人の言葉を覚えた。「歌って」来る日も来る日も言葉を話す内。最初の話せる嬉しさを忘れ、話す言葉は嫉妬に変わる。僕はカナリアの為に歌うんだ。彼女が詩を思い出すまで。