140文字小説

日々Twitterで綴っている、実話も含むときもある創作小説ブログです。

「詩を忘れたカナリア」

「ねえ、私の為に歌って。ずっとずっと…」
カナリアが言うんだ。羽をばたつかせて。
彼女は歌うことを忘れ、代わりに人の言葉を覚えた。
「歌って」
来る日も来る日も言葉を話す内。
最初の話せる嬉しさを忘れ、話す言葉は嫉妬に変わる。
僕はカナリアの為に歌うんだ。
彼女が詩を思い出すまで。